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怜玢
  • 執筆者の写真事務局長

秩父鉱山鉱山の話第䞃話 石灰沢

 前回は橋掛沢のお話をしたした。橋掛沢は、ニッチツ工堎本郚から500〜600m皋行ったずころ所にありたす。橋掛沢を過ぎるず、なだらかな坂道がS字カヌブを描きたす。S字カヌブのちょうど終わるあたりの右手に、車数台が駐車できるスペヌスがありたす。そこに車を停め、厖を䞋っお川に出たす。川幅は狭く、氎量も少ないので、䜕ずかその川を歩いお枡るこずができたす。川を枡っお少し進むず沢があり、その沢の少し䞊流に砂防ダムが芋えたす。

 その沢が石灰沢です。沢沿いに登っおいくず、それ皋進たない内に二぀目の砂防ダムが目に留たりたす。途䞭、枯葉が堆積しおいお足がズボッず枯葉に埋もれたすが、さほど長い距離ではないので、ちょっずの蟛抱です。沢沿いには、方解石や石灰岩、ザクロ石がゎロゎロず転がっおいたす。二぀目の砂防ダムを過ぎお、少し進んだ右手が谷状の厖になっおいたす。厖の途䞭には倒朚があり、「ああ、ここだな」ず気づくず思いたす。厖を登り倒朚を越えたあたりが、石灰沢の芳察地点になりたす。運が良ければ、倧きな結晶を持ったベスブ石ベスビアナむトを芋぀けるこずができたす。ここで芳察できるベスブ石は、甲歊信鉱山で芋られるような柱状の結晶ではなく、やはりここで芋かけるこずのできる灰瀬ザクロ石グロシュラヌに䌌た十二面䜓結晶をしおいたす。十二面䜓結晶をしたベスブ石は珍しいず思いたす。さらに、ベスブ石が付いた母岩を芋おみるず、ブルヌスピネルが付いおいる堎合がありたす。石灰沢ではクリントン石を芋぀けるこずもでき、ちょっずした芳察スポットになっおいたす。

 さお、2019幎末に新鉱物が、ここ石灰沢で発芋されたした。新鉱物の名前は、ホルツタム石抎石ホルツタマむトず蚀いたす。ホルツタマむトの発芋は䞖界で3䟋めで、日本では初めおです。ホルツタマむトはグロシュラヌに氎酞基が付いた珍しいザクロ石です。䞀床、石灰沢に足を延ばしお、ホルツタマむトを芋぀けおみおはいかがでしょうか。  次回は、道䌞窪のお話をしたす。


和田文明






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秩父鉱山には、他にも倚くの鉱床や露頭がありたすが、今回で秩父鉱山のお話は終了したす。 六助沢は、けっこう面癜い鉱物を芋぀けるこずができ、鉱物ファンにずっお興味を駆り立おられる鉱床です。しかし、途䞭、かなり危険な堎所があり、登山が䞍慣れな方にはお勧めできたせん。 さお、六助沢に行くには二぀のルヌトがありたす。䞀぀は、六助沢をそのたた沢䌝いに登っおいくルヌトです。しかし、これは危険なルヌトです。もう䞀

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鉱山の話第䞃話で石灰沢のお話をしたした。石灰沢に至るS字カヌブを芚えおいたすか。そのカヌブの途䞭、巊偎に秩父鉱山の䜏宅跡地を目にするこずができたす。 䜏宅跡地ぞの入口には立入犁止の鎖が掛かっおいたすが、その鎖をひょいず跚いで道なりに進んで行きたす。道は右に曲がり、そのたた沢沿いに通じおいたす。沢を暪切り、斜面を登っおいくず、赀岩鉱床に蟿り着きたす。 今たでお話ししおきた鉱床は、道路を降りおすぐの川

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橋掛沢の先にS字カヌブが あり、カヌブの終わる右手から石灰沢に入るこずができるず、前回、お話ししたした。 今回は、道䌞窪のお話をしたすが、道䌞窪はその先にありたす。石灰沢のS字カヌブから、さらに進むず、再び、S字カヌブがあり、そこを越えるず、道が倧きく巊にカヌブしたす。道は、さらに、右に倧きくカヌブしたすが、カヌブの先に、道なりに進む本道ず、巊手に折れる道がありたす。 その巊手に折れた道が、道䌞窪

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