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秩父鉱山(鉱山の話)第六話 橋掛沢  和田文明

中津川沿いの「出合」を右折し神流川沿いの道を入ると、そこから秩父鉱山が始まると書いてきました。今まで、秩父鉱山の概略、出合周辺、山鳥の露頭、大黒河原、和那波鉱床とお話をしてきました。

 今回は、橋掛沢についてお話をします。和那波鉱床近くにはニッチツ工場(本社)があります。細い県道を車で登って行くと、ニッチツ工場の前に秩父鉱山簡易郵便局があります。さらに進むと、以前、秩父鉱山が栄えていたときの住居跡が廃屋となって残っています。当時は2,000人もの鉱山労働者が働いていて、秩父鉱山は日本を代表する鉱山の一つでした。しかし、現在ではその面影はなく、廃屋マニアの格好のスポットになっています。

 さて、廃屋を過ぎた辺りに小さな橋が架かっています。石灰沢ひ通じるS字カーブの手前にその橋はあります。その橋は、橋掛沢の出口に架かっていて、そこから40分ほど登って行った所に観察ポイントがあります。橋の先に駐車スペースがあるので、そこに車を停め、橋掛沢を登って行きます。登り始めてすぐの所は、急な斜面(岩)になっていて、登りづらいのですが、しばらく進むとだんだんとなだらかな斜面に変わっていきます。沢に沿って30分ほど進むと、沢が二手に分かれています。右手の沢を、さらに10分ほど進むと、落ち葉に埋もれた足元に黄色い石の塊が転がっています。石が転がっている右上の露頭を見ると、人の手で削られた跡があり、そこが橋掛沢の観察スポットになります。

 黄色い石の正体は、灰礬ザクロ石(グロシュラーガーネット)です。非常に照りがあり、小ぶりだけれど、とても綺麗な結晶の付いているものもあります。さらに、黄色い結晶の中に、所々茶色みがかった結晶を見ることができますが、それがベスブ石(ベスピアナイト)です。橋掛沢で観ることができるベスブ石は灰礬ザクロ石と同じくらいの大きさの結晶ですが、照りもよく、なかなか見応えがあります。

 次回は、石灰沢をご紹介します。






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