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秩父鉱山(鉱山の話)第三話 山鳥露頭

 神流川に沿って、210号線を出合で右折すると、そこから秩父鉱山が始まると言っていいでしょう。山鳥露頭、大黒鉱、和那波鉱床、橋掛沢、石灰沢、道伸窪、赤岩鉱床、六助鉱床、渦ノ沢等の鉱床を今後、順を追って辿っていくことにします。


 前回は、秩父鉱山の入り口にあたる出合周辺を観てきました。今回は、山鳥露頭のお話をすることにします。神流川沿いの210号線を登っていくと、3つ目か4つ目のトンネルが山鳥トンネルです。トンネルのすぐ手前に車一台が停車できるほどのスペースがあります。車を停めた、すぐ下の崖が山鳥露頭です。

 崖を降りると、そこには人の手で削られた窪みがあります。窪みが出来た理由は、「ゴールデンラッシュ」。山鳥露頭で金が見つかり、そこに人が群がったのです。しかし、今は金を見つけることはできません。その代わり、露頭やその周辺に転がる岩の至るところに、灰バンザクロ石(グロシュラー)、灰鉄ザクロ石(アンドラダイト)、灰鉄輝石(ヘデンベルガイト)、緑簾石(エピドート)、黄鉄鉱(パイライト)、ブーランジェ鉱などが顔を出しています。肉眼で十分に確認できる結晶も多く観察することができ、山鳥露頭を散策するだけでも鉱物の世界を楽しむことができます。



 神流川の水量が少ない時には、長靴を履いて対岸へ渡ることができます。対岸の露頭には、結晶がかなりはっきりと見える灰鉄輝石が張り付いていて、思わず唸り声を上げてしまいます。灰鉄輝石は普通緑色から灰色をしているのですが、ここで観られる灰鉄輝石の中にはピンクがかったものもあり、マンガンが入ったヨハンセン輝石ではないかと思われます。


 さて、次回は大黒鉱のお話をします。




和田文明

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