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鉱物産地解説

           鉱物産地・解説~4~

             秩父鉱山特集③

   ~山鳥から大黒河原まで~

​(写真1) 出会いを越えて4個目のトンネル
   「大黒トンネル」という名前。​これを通り過ぎれば大黒河原!
​(写真2) 「大黒トンネル」裏側の写真。
 写真の「左側」向こうから来ると「右側」に​駐車スペースがある。
​(写真3) 大黒河原の駐車スペース。写真の左側斜面から河原へ下りられる。​(冬風景)
(写真4) ​大黒トンネルを抜けて、ちょっと行けば大黒橋を渡る。(冬風景)
​(写真5) 大黒橋から見える「滝ノ上坑口跡」
​ここが大黒坑口と間違われやすい。(​下写真、冬風景)
​(写真7) 大黒ズリ横の石垣跡。
​(写真6) 河原から見た大黒橋。​写真では見えないが、写真左斜面が一面、大黒河原のズリ。
​(写真9) 大黒の大ズリ。
​ここに、滝ノ上坑・大黒坑から出た鉱物を捨てていたので、今でも金属鉱物の破片が沢山落ちています!
​(写真8)大黒河原の風景。
この河原をひたすら歩いて採集をする方もいます。
上流に位置する「大黒の本坑」からの鉱石たちが河原に流れているので、河原ならどこでも可能性はあります。
​(写真10) ズリ周辺の大岩の上には、このような鉱物が割られた跡が多くあります!
​このような河原の石からも糸金(自然金)が産出した例もあります!
​(写真11) 再結晶質石灰岩の塊。
​このような石に、閃亜鉛鉱や黄鉄鉱が混じっている事もあります!
​(写真12) ズリに落ちていた鉱物。
亜鉛や鉛、鉄などが入っています!
​黄色っぽい所は、ビンドハイム石という鉱物!
​(写真13) 大黒河原上流から見た、大黒橋の風景​。
​(写真14) 大黒河原の少し上流にある小さめな滝。
​(写真15) 秩父鉱山の有名鉱物標本である「閃亜鉛鉱中の糸金」​です!

(初めに)

​秩父鉱山特集!3頁目です!

秩父鉱山は範囲が広いため、何ページかに分けてご紹介していきます。

このページからは、前頁で紹介した鉱物採集ポイントの「山鳥」から秩父鉱山の有名採集ポイントの「大黒河原」という場所までをご紹介していきます。

(産状解説)

秩父鉱山も、鉱石山(1頁目)と同様、スカルン鉱床(接触交代鉱床)という産状で、石灰岩にマグマが貫入(接触)して、その接触部分に様々な鉱物が産出するという鉱床です。

 

秩父鉱山は、範囲が広く、大規模なスカルン鉱床が存在しています。

地下では、隣接する長野県の甲武信鉱山(梓山)や山梨県の一部にまで鉱床が関係していて、歴史的にも、武田信玄が金山開発していたほど、大規模な鉱山です。

マグマ中に、金(au)や亜鉛(zn)などの重金属が入り込んできたため、世界的にも珍しい、‘閃亜鉛鉱中の糸状の金’という非常に珍しい産状の自然金も産出しています。

 

 

(産地解説)

 前回は、秩父鉱山の採集ポイントの一つである、「山鳥」の露頭の産地をご紹介しました。

​秩父鉱山の入り口である「出会い」のトンネルから、有名どころを順にご紹介していこうと思うので、今回は、山鳥トンネルの次のトンネル、「大黒トンネル」の下に流れる「大黒河原」(大黒河原とは大黒トンネル周辺の河原の通称で、川の名称は「神流川」です)周辺までをご紹介していきます!

​ 大黒トンネルまでは、山鳥トンネルから非常に近く、1分もしないうちに着いてしまいます。

​山鳥トンネルの次のトンネルが、大黒トンネルなので、そこを抜けると、すぐ右側が駐車スペースです。(写真1,2,3)

カーブミラーと冬季の滑り止め用具入れが目印です。そこには、多い時で6台くらいの車が駐車してあるのを見たことがありました!

それだけ、「大黒河原」が秩父鉱山の鉱物採集ポイントの中で有名で、安全に鉱物採集が楽しめる場所だという事です!

週末になると、家族ずれや、高校生の団体なども訪れていたりしました!

 大黒トンネルを過ぎ、駐車スペースも通り過ぎて少し道を行くと、河原に架かる橋を渡ります。その橋こそが「大黒橋」です。

(写真4)

その大黒橋から、一つの坑道跡が見えるのですが、その坑道は、「滝ノ上坑」という名前の坑口跡です。(写真5)

(大黒の駐車スペースに車を止め、歩いて大黒橋まで行き、滝ノ上坑跡を見るのもおすすめです!)

ここの滝ノ上坑跡が、よく大黒坑口跡と間違われやすいのですが、大黒の本坑口や、その他の大黒坑口は、もう少し上流の「㈱ニッチツ」の裏側などに存在しています。今現在では立ち入り禁止のため、入り口が塞がれています。

 さて、大黒の駐車スペースに戻ってきたら、その広場の‘左斜面‘などに人が降りていった踏み分け道があります。そこを降りていくと、容易に河原へ着くことが出来ます。

河原へ降りたら、上流方向を見ると(写真6)先程渡ってきた大黒橋の全貌が見渡せます。駐車スペースと河原の間の斜面には古い石垣跡などもあり(写真7)鉱山跡らしさが残っています。

 いよいよ河原での鉱物探索を始められます!(写真8)

河原の石を見ると、やはり白色やコゲ茶色の石がゴロゴロ転がっています。​これらは、前頁でもご紹介した「再結晶質石灰岩」

と変成を受けた「スカルン塊」の大岩です。再結晶質石灰岩は割っても中は何もないですが、「スカルン塊」の方は、割ると色々面白い鉱物が出てくる可能性があります!ですので、河原を下流に沿って歩いてコゲ茶色のスカルン塊を観察して回るのも面白いです!

 河原に降りて大黒橋の近くまで行くと、右岸に石がゴロゴロ積み重なった大きい斜面が見えますが、これこそが「大黒河原のズリ山」です!(写真9)

ここが大黒河原の中でも、鉱物の産出量が多いポイントの一つです!

ここには、金属鉱物の破片などが、大量に落ちており、「黄鉄鉱・黄銅鉱・方鉛鉱・磁鉄鉱」などの鉱物は容易に見つける事が出来ます!(写真10、11,12)ここでも変成を受けたスカルン塊を割ったりしていっても良いでしょう。

ここのズリでは、他にも、「車骨鉱・毛鉱・ブーランジェ鉱・ビンドハイム石」などの亜鉛や鉛の鉱物といった秩父鉱山名産の鉱物が採れたり、もちろん「閃亜鉛鉱中の糸金」も、かなり難しいですが、産出した例はあるので可能性はあります!根気よく、閃亜鉛鉱を見つけ出し、じっくり観察していくと、糸金を見つけ出す可能性は高くなります!(写真15)

他にも、「灰鉄柘榴石・灰バン柘榴石」だったり「菱マンガン鉱」などの鉱物も観察できると思います!

​ここの大黒河原周辺が秩父鉱山の中で、最も多くの鉱物種を産出していて、最も有名なポイントなので、一日中ゆっくり鉱物観察をするのも良いと思います!

 

(​色の変わっている鉱物名は、大黒河原周辺で観察されやすい鉱物です!)

 

(産出鉱物)

自然金閃亜鉛鉱方鉛鉱黄鉄鉱黄銅鉱灰鉄柘榴石灰バン柘榴石灰鉄輝石・透輝石・方解石・水晶車骨鉱毛鉱ブーランジェ鉱菱マンガン鉱・バラ輝石・磁鉄鉱磁硫鉄鉱硫砒鉄鉱ビンドハイム石苦灰石・べスブ石・含亜鉛スピネル・クリントン石・水酸エレスタド石・セムセイ鉱・桃簾石・斧石・緑簾石・燐灰石・輝安鉱・クトナホラ石・バスタム石・孔雀石珪孔雀石 etc.

(次頁)

次ページからは、大黒河原~秩父鉱山簡易郵便局を予定しております!

※注意書き※

鉱物採集は、どのように鉱物ができるのか、どのような産状であるのか等を学べ、鉱物への理解や関心を高められるものです。むやみな採掘・自然破壊は、決して行ってはいけません。

尚、鉱物採集を行うとともに、自然への保護活動に努め、ゴミなどが有った場合は持ち帰りましょう。