秩父鉱山「出合」
今回から秩父鉱山のズリ場や鉱床についてシリーズでお話することにします。
先ずは、出合(であい)。滝沢ダムを過ぎ、国道140号線から県道210号線に入って、しばらく進むと、「出合」があります。出合は中津川と神流川の合流する地点で、そこから神流川に道を逸れると秩父鉱山に至ります。つまり、出合は秩父鉱山の出発点ともいえる場所にあるのです。
出合には秩父鉱山から運ばれてきた鉱物がけっこう転がっています。車を止めて、中津川の河原に降りていくと、至る所に大きな転石が積み重なっています。その岩石を調べてみると、そこにはザクロ石(グロシュラー、アンドラダイト)、方鉛鉱、閃亜鉛鉱、菱マンガン鉱、黄鉄鉱等の鉱物が肉眼ではっきりと見える大きさで付着しています。中には、かなり良い状態で保存された結晶を見ることもできます。もともと秩父鉱山は金山であったために、大黒鉱床あたりから流れ着いた砂金が、今でも出合付近でかなり採取できるのではないかと、ある砂金採りの名人が話しているのを、聞いたことがあります。
さて、真意の程はいかに。ともあれ、秩父鉱山の出発点である出合で、けっこう面白い鉱物を観察することができるのです。
和田文明
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